上映プログラムを見ていると、見たい作品はいっぱいあったのですが、今回日程の関係で見たのは４作品。以下、簡単に感想を書いてみました。

LITTLE BIG SOLDIER(大兵少将）
ジャッキーチェーンの映画です。戦争で生き残った老兵（ジャッキー）が、戦いで傷ついた敵国の将軍（王子）と出会い、故国に連れて帰る途中に起きる出来事を描いたコメディー。ジャッキーチェーンの映画を見たのは初めてだったのですが、やっぱり有名なだけあって、すごい役者さんなんだなと感じました。映画の中に、くだらないギャクのような仕掛けがいっぱいあるのですが、彼がそれをやると、面白いんです。さすがですね。

ZERO FOCUS（ゼロの焦点）
去年日本で公開されていた広末涼子主演の作品です。
有名な小説なので、あらすじは知っていましたが、そのままの内容でした。丁寧に作られた2時間ドラマという感じで、映画としてはちょっと物足りない感じ。でも、久々に映画館で日本の映画を観れたのはよかった。５０年代の日本の情景はとてもきれかった。（韓国で撮影したそうでう。）イタリア人はどう感じたのかな？

GHOSTO STORY OF YOTSUYA（東海道四谷怪談）
回顧展「NUDES! GUNS!GHOSTS!」として、１９６０年前後の新東宝（私はこの映画会社のことは知りませんでした。）の映画が連日のように上映されているのですが、どれもイタリア語のタイトルを見ただけでも、ぎょっとするようなものばかり。
どんな作品が上映されているのか興味がある方は、こちらの映画祭の公式サイトへどうぞ。本来なら、こんな作品を上映していますよと、ここに書きたいところなのですが、日本語の作品名をここに書くのも躊躇してしまう、そんな作品ばかりなのです。
そもそも、この新東宝はエログロ路線で有名な映画会社のようです。「NUDES! GUNS!GHOSTS!」って英語で書けばかっこいいけど、どうして、こんな回顧展をしているのか？謎。

前置きが長くなりましたが、「東海道四谷怪談」も回顧展の作品の一つで、１９５９年の新東宝の映画です。数ある四谷怪談の映画の中でもかなり高い評価を受けている作品なのですが、昔の映画なので、亡霊がでてくるシーンは、お化け屋敷のような感じが……、いや、お化け屋敷がこういう映画を真似て作ったのでしょうね。派手な特撮はありませんが、役者の演技、演出ともに、おどろおどろしい雰囲気はたっぷりでした。
そんな雰囲気の映画なのに、主人公が亡霊と間違えて、新妻や舅を刺すシーンでは、なぜか観客席からは笑い声がいっぱい。笑うところ？と不思議でした。
それにしても、四谷怪談は過去に２０回以上、映画・テレビドラマ化されているようなのですが、どこがそんなにいいのかな？怖いというよりは、ひどい話だとしか思えないのだけどな。

PHOBIA2
タイのホラー映画。世にも奇妙な物語のような感じで、５つのストーリーが展開されていきます。日本人バックパッカーがでてくる話もありました。５つの話のうち、最後の話はホラー映画の撮影現場が舞台。幽霊役の女性が撮影中に病院に運ばれ、死んだはずなのに、撮影現場にやってきて、撮影スタッフはパニック状態……話は二転、三転するのですが、これがなかなかおもしろいのです。タイの若い役者さんたちも感じがよく、今回見た映画の中では、この話が一番おもしかったです。

いろいろ書きましたが、どの作品もそれなりに楽しめました。タイのホラー映画なんて、全然興味なかったのですが、以外と一番おもしろかったりして、他のタイ映画も見たくなりました。こういう普段自分が見ない映画に出会えるのは楽しいです。
昨年は「おくりびと」が観客賞を獲ったのですが、ことしはどの作品が獲るのでしょうか？楽しみです。